Izmi

それだけで、という曲のこと

オリジナルの曲はすべてが「奇跡」と呼べる大切なものだけれど

その中でも一際存在感を放つ曲が何曲かある。

「それだけで」はそんな中の一曲だ。

 

「それだけで」が生まれた日。

運河のほとりにあるベンチに座ってぼんやりと雲を見ていた。

先の見えない状況が続き過ぎて、不安を感じることすらできないほどに疲れ果て

なんにも無い、ただ自分だけを引きずって辿り着いたその場所は

穏やかな優しい風が吹き抜けていた。

何も思うまい、ただここにいよう。何かしようとするのはやめよう。ただここにいよう。

それだけに集中した。

 

What a wonderful world we are living!!

そしたら、苦々しく思っていた世界はとても美しいところだと気づいた。

風が撫でると、草はしなやかに踊るかのようにたなびいている。

太陽は頭上の木の葉を通して爽やかな緑色の光を私に注いでいる。

誰もいないその場所に、気配を感じたのはその後のことだった。

孤独の中に、あなたの存在があった。あたたかくて、穏やかな、変わらない愛。

だからこの世界はこんなにも美しいのか。だから私の心はぬくもりを感じ取るのか。

私が何かできるからじゃなく、ただ私の存在を愛するあなたがいる。

 

ベンチに座ったまま、一気にノートに歌詞を書き綴った。

 

初心忘るべからず

「それだけで」

この曲は私の初心、と言ってもいい。いつでも戻る場所。

あなたと私がいる、ただそれだけで

何でもいいや!だし、大丈夫!だし、何よりしあわせなんだ。

とかく足りない、足りないと思いがちな浅はかな私。

心配不安を煽り、何かしなければ、さもなくば、と

焦らせて混乱に導こうする世の中の狂乱に巻き込まれやすい弱さがある。

こんな時、どんな思惑も跳ね返せる鋼の精神を持つミチオくんを羨ましく思うけれど

私は私でミチオくんはミチオくんだからなぁ。それぞれに持つものが違って当然だし。

でも、そんな弱い私だから「それだけで」に出会えたんだよね。

弱い、ということも良いものに転じられるんだという希望が生まれる。

ま、でも強くなりたい野望も捨ててはいないけどね!弱いまんまじゃイヤだよ。

そういう力もくれる曲なんだよなー。自画自賛し過ぎか?

 

This is YOUR song.

それでは、お聞きください。「それだけで」

 

-Izmi

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